本記事は弊社ライターがお店からのご依頼でお店に伺い商品・サービスの提供を得てインタビュー記事を作成しております。
昭和42年、長崎市三重町にて開園した「三重保育園」。「龍光寺(りゅうこうじ)」というお寺が無料託児所を作ったことから始まったこの保育園は、お寺の保育園として長年地元に愛されている、「思いやりの心」と「主体性」を大切にしている保育園です。また、園での日々の生活ではもちろん、楽器演奏や野菜作り体験、リズムに合わせた運動などの時間を設けることで、子どもたちの一人一人の個性が育まれ、楽しみながら「社会性」や「協調性」が学べます。
2階にある本堂では、月に一回礼拝の時間が設けられており、仏様の慈悲を感じながら、背筋を伸ばして手を合わせます。こうして手を合わせることで、感謝すること、自分と向き合うことを自然に学び、教科書では学べない大切な何かを少しずつ見つけていきます。手を合わせているときの子どもたちの真剣な表情を見ると、精神的な強さや感謝の気持ちが伝わってきて、こちらも背筋が伸びる思いです。こうしたお寺の保育園ならではの時間の使い方があるからこそ、心が素直に育っていくのだと思いました。
保育園は、子どもたちが人生で初めて集団行動を体験する場所。だからこそ保護者の方は、愛を持って子どもたちの心と体を育んでくれる保育園を選びたいはずです。園児の中には、この園の卒園児のお子さんも多いそうで、保護者の方からだけではなく、実際にここで育った子どもたちからも愛されていることが良く分かります。元々60名の子どもたちと7名の先生たちから始まった開園時ですが、現在では園児も120名にまで膨らみ、地元を代表する大人気の保育園となりました。
【音楽から学ぶ】
三重保育園では、音楽の楽しさを子どもたちに伝えるために、本物の楽器を使った音楽発表会が開かれます。0才から年長組の演奏会を聞かせることで、音楽を身近に感じ、楽器を演奏することに憧れを持つようになります。音楽から学べることは様々です。ただし、義務的にやらせるのではなく、こうして子どもたち自らが「やりたい」と思えるような環境作りも同時に整えなければ、「音楽=楽しい」と思ってもらうという本来の目的から逸れてしまいます。このように子どもたち自身の自発性を大切にしているからこそ、心が成長していくのだと思いました。
音楽の発表会のための楽器演奏の練習では、専門家である外部の音楽教室の先生が手取り足取り分かりやすく教えてくれるので、最終的にはどの子でも演奏できるようになり、簡単な音符まで読めるようになるというから驚きです。できなかったことができるようになった瞬間の達成感を実感することで、何かに一生懸命に取り組むことが楽しくなっていくため、三重保育園の子どもたちは、集中力があり、努力することに逃げない気持ちを持った子たちばかりです☆音楽を通じて、教科書では学べない「心の教育」ができている証拠ではないでしょうか。
保護者の方にとって、発表会は毎年我が子の成長が確認できる貴重な機会です。子どもたちの頑張っている姿に、逆に大人たちが色々なことを学ばせてもらえる場として、保護者の方からも大好評の発表会となっています。これができるのも、地元の方の応援や保護者の方のご協力だと長殿理事長はいいます。こうして子どもたちの成長を周りの大人みんながサポートしてくれる環境だからこそ、園児も安心して色々なことに挑戦でき、先生方も真剣に学びの場を作ることができるのでしょう。
【食から学ぶ】
給食で使う食材は地産地消にこだわったものばかりで、しっかりと栄養バランスを考えられて作られています。さらに、お米は玄米を取り入れ、使用する水にもこだわる徹底ぶり!肉料理よりはどちらかというと魚料理がメインとなるようメニュー構成され、上質なたんぱく質をふんだんに摂れる給食となっています。また、たけのこや山菜など、できるだけ季節ごとの旬の食材を取り入れることで、食材本来の味を知ることができます。化学調味料が使用されているものや海外の食事などが増えてきている今、このような体に優しい給食の大切さが分かりますよね。
動物の絵の描かれた旗がささっていたり、色合いの良い盛り付けなど、子どもたちが食べたくなるような見た目で、子どもたちからは大好評。また、子どもの頃から本物に触れてほしいという保育園側の熱い想いから、食器は九州を代表する陶器「有田焼」を使用し、食事を通じてあらゆる文化に触れられるような工夫もされています。食べるもの、触れるものによって、感じ方や捉え方が変わり、その一つ一つを積み重ねていくことにより、子どもたちは大きくなっていきます。そう思うと、この保育園で経験すること全てに意味があることだと思えます。
三重保育園では、毎年さつま芋やジャガイモ、トマトなどの野菜作りが体験でき、種植えから収穫までの工程を身を持って学べます。苦労して作った野菜を実際に食べることによって、いつも食べている野菜や魚・お肉に、そして、それを育てた生産者の方への感謝が芽生えてきます。小学校に入るまでに、このような農作体験ができることは、子どもたちにとって本当に良い経験になっていると思います。これらの「食育」に関する方針は、「食事=ただお腹を満たすこと」ではなく、「食事=感謝」という考え方を自然に子どもたちに伝えるためです。
全学年の園児が食べる給食だからこそ、食材や栄養バランスを考えるだけではなく、「食べるまで」「食べるとき」「食べたあと」の環境作りにもこだわりながら、子どもたちと接しているのですね。ちなみに、離乳食の場合も使う食材や味付けにはとことんこだわっています。子どもは特に食べ物の「好き嫌い」が多そうなイメージですが、長殿理事長いわく、離乳食に入れる食材次第では「好き嫌い」を最小限に抑えることができるそうですよ♫是非子どもたちには「好き嫌い」なく、色んな種類の食材を食べてほしいですね。
【運動から学ぶ】
朝の日課は朝日を浴びながら音楽に合わせて体を動かすこと☆リズムに合わせて体を動かすことで、精神と肉体を一致させ、自発性と反射性、集中力、記憶力、創造力などを育むことができる教育法として海外でも行われています。元々はスイスで生まれたもので「リトミック」と呼ばれ、特に児童教育として用いられており、舞踊や演劇にも応用され影響を与えたとも言われています。これは、脳科学的にも証明されており、楽しみながら成長できるので、大切な我が子には絶対やらせたいですよね!
朝に体を動かすことで、その日のやる気スイッチが入り、朝一番から頭の回転良く動くことができるので、何事にも集中力が高まり、良い一日のスタートがきれるそうです。特に集団生活においては、動くことと、止まることの切り替えは、子どもたちにとってとても集中力がいることなのですが、朝の運動によって集中力は上がることで「動」と「静」のバランスがとれ、子どもたち同士のチームワークも高まります。そんな環境で育った園児たちが行なう運動会は、完成度の高い演技ばかりで、保護者の方や地域の方も毎年感動をもらいます。
【むつみ学童クラブ】
三重保育園では、学童保育にも力を入れており、学齢期の児童が自立するための成長支援・健全育成を実践しています。学童保育は子どもの放課後の生活を主体的に創る場として、世界的にも重要視されておりますが、まだまだ数が少なく待機児童が増えてしまっていると社会問題にもなっています。ここでは「むつみ学童クラブ」と名付け、保育園の園児たちと共におゆうぎ会や盆踊りに参加して、みんな一緒に楽しい時間を共有しています。
地域と協力し合うことで、日本の未来を担う子どもたちの居場所を見事に守っている三重保育園。学童保育のニーズが今より少なかった2002年に、次の時代を見越して作られたこの学童クラブは、確実に子どもたちを支え、日本を支えています。何よりも人と人との絆や温もりを教え「繋がり」を大切にしているため、ここを出た子どもたちが大人になり、感謝の気持ちを伝えるために先生に会いに来ることもしばしば。「そんな姿を見るのがこの仕事のやりがいです。」と涙を流しながらおっしゃっていた長殿理事長の姿がとても印象的でした。
素敵な保育園ですね!近くならば是非入れたいな😊